多くの方は、「今どきまだ電話営業なんてやってるの?」
「テレアポって効率悪いし、精神的にもキツそう」
といった印象を持っているのではないでしょうか。
筆者も昔はそうでした。
確かに、メールやSNS、Web広告といった便利なツールが揃っている現代において、
テレアポは非効率なやり方に見えるかもしれません。
「テレアポはオワコン」
「やっている人は頭おかしい」などと揶揄される声がネットにあふれているのも事実です。
中には「かわいそう」「病むような仕事」だと感じている人もいるでしょう。
筆者も昔はそう思っていました。
しかし、テレアポが今でも営業の現場で続いているには、
はっきりとした理由があります。
なぜ電話営業がなくならないのか、
テレアポに営業としての将来性は本当にないのか。
そして、どのようなテレアポのやり方が「やってはいけない」パターンなのか。
この記事では、在宅で実際にテレアポをしている筆者の体験を交えながら、
「テレアポはなぜなくならないのか?」というテーマを多角的に掘り下げていきます。
きっと、これまで見えていなかったテレアポのリアルが見えてくるはずです。
ポイント
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テレアポが今も営業手法として残っている理由
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電話営業が持つ他の手法にない強み
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テレアポに対する世間の誤解と実情
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テレアポが将来性やマーケティング効果を持つ背景
キーエンスで学んだのは、派手さより精度だった
売れてる営業ほど、日々の行動に面白みがない
でもそれが一番効く・朝一は全社数値確認
・午前は即受注系の深掘り営業
・午後は新規開拓のテレアポ&訪問
・夕方は当日の案件整理と改善振り返り
・帰り道に次の日のロープレを脳内で組み立て…— 小野松 健太 (@Sales_Onomatsu) July 20, 2025
平均年収2,000万円のキーエンスでもテレアポをしている。
そんなテレアポの有効性についても「なぜなくならないのか?」の観点から解説します。
テレアポは時代遅れ?なぜなくならないのか?
電話営業がなくならない理由とは
電話営業がなくならないのは、
1つは今でも「人の声」が持つ力が非常に大きいからです。
いくらインターネットが普及したとはいえ、
すべての商談がデジタルで完結するわけではありません。
とくにBtoB(法人営業)では、信頼関係の構築が重要視されるため、
直接声でやりとりする電話の役割はまだまだ健在です。
私も実際に在宅でテレアポをしていて実感しますが、
メールやWeb広告だけでは動かない層に対して、
電話だと反応をもらえることが多々あります。
(もちろんほとんどは無視なのですが‼)
たとえば「ちょうど探していたところだった」と言われたり、
「今の提案なら資料だけでも見てみたい」と前向きに話を聞いてくれるケースもあります。
(たまにはですが会社側はそれでも利益が出る設定にしています)
もちろん、
相手にとっては突然の電話ですので迷惑に思われることもあります。
しかし、こちらがしっかり相手に合わせてトークのスピードや切り出し方を工夫すれば、
意外と話を聞いてもらえることもあるのです。
(少なくとも表面上は)
多くの法人の受付は会社の顔なので営業電話に対しても
礼儀正しい対応をしてくださることが多い。
このように、テレアポには「その場でリアルな反応をもらえる」という強みがあります。
言い換えるなら、即座にニーズを掘り起こすことができるのです。
これは他の営業手法にはない独特の強みであり、
今でも電話営業が続いている最大の理由だと思います。
テレアポがオワコンと言われる背景と現実
テレアポが「オワコン(終わったコンテンツ)」と言われがちなのは、
効率の悪さや精神的な負担の大きさが強調されることが多いからです。
確かに、何十件もかけても断られることが続いたり、
嫌な対応をされると「なんの意味があるんだろう」と感じる人は少なくありません。
(大変よくわかります)
私自身も、最初の頃は1時間電話しても無反応で、
「これは本当に効果あるのか…?」と悩んだ時期がありました。
ネットでは「テレアポは古い」「やる意味がない」といった声も多く見かけます。
たしかに、LINEやチャット、広告などの手法が発達した今、
テレアポは一見、非効率に見えてしまいます。
しかし、現実は少し違います。
私の場合、平均して1〜3時間で1件の資料請求を獲得でき、
2〜5時間あればアポが取れることもあります。
(私が特別に優れているわけでは無く数打てば当たるのです)
広告費をかけず、地道に1件ずつ成果を積み上げられるのは、
ある意味でとてもコスパの良い営業手法です。
経営者は冷徹にコスパを見ているのでしょう。
それがテレアポがなくならないもう1つの理由です。
下記がネット広告とテレアポのコスト比較です。
ネット広告の代理店がよくテレアポをしていますが、
こういったことが理由なのです。
比較例 | ネット広告(例:Google広告) | テレアポ |
---|---|---|
1資料送付獲得にかかる費用 | 約5,000〜15,000円 | 約2,500〜10,000円 |
1アポ獲得にかかる費用 | 約10,000〜50,000円 | 約6,000〜20,000円 |
成果発生までのスピード | 数日〜数週間 | 数時間〜当日中 |
*商品、リストに左右されます。
多くの経営者がネット広告費の高騰を問題視しており、
テレアポは選択肢として残り続けるでしょう。
出典:6割超が広告費の高騰を課題視/1年前よりも施策のROIを厳しく問われるように【HubSpot調査】
生の声をすぐに聞ける
また、電話を通してお客さんの生の声が聞けるのも大きなメリットです。
どんな言葉に反応があるのか、どこで興味を失うのかがわかると、
トークの改善が即座にできます。
同じ商品でも言い方一つで反応が変わるため、
日々試行錯誤できる面白さもあります。
「洋ナシ」も「ラフランス」と言えば売れたように
「海砂利水魚」というコンビ名を「くりぃむしちゅー」に変えたら売れたように、
そういった反応を見ることができるのです。
このように、時代遅れとされがちなテレアポですが、
使い方次第では今でも立派に機能します。
効率だけを重視する視点では見えない「人との接点」という価値が、
テレアポにはあるのです。
テレアポ営業に将来性は本当にないのか?
テレアポ営業に将来性がないと感じている人は多いかもしれません。
SNSやチャットボット、
AIの進化によって「もう人が電話をかける時代じゃない」と言われることもあります。
しかし私自身、在宅でテレアポを続けながら、
むしろ「変化に合わせて進化できる仕事」だと感じています。
確かに、ただリストをもとに無作為に電話をかけ続けるスタイルは、
今の時代にはそぐわない部分もあるでしょう。
顧客の興味・関心を無視した一方的な営業は嫌がられるだけですし、
それを繰り返していては効率も成果も上がりません。
まー興味がなさそうであればすぐに電話を終了します。
というか、むこうから体よく丁寧に断ってくれます。
ところが、ターゲット選定を工夫したり、
ヒアリング力を高めたり、
相手の業種・課題に合わせた提案を意識するようにすると、
明らかに反応は変わります。
(これは会社がやってくれますが)
実際、私は1時間に1件ほどの資料請求、
3時間に1件ほどのアポが取れるようになってきました。
これは、デジタル広告のクリック単価が年々上がっている今、
くりかえしになりますが十分にコストに見合う成果です。
ある調査の経営者へのアンケートでは
約7割が、テレアポは新規獲得を行う上で「有効である」と回答しています。
また、電話を通じて得られる「生の声」は、マーケティングに直結します。
反応が良いトーク、刺さらない言葉の傾向などを蓄積していけば、
商材や広告の改善にも活かせます。
このようなリアルなフィードバックは、
チャットボットやメールの反応だけでは掴みきれません。
将来性があるかどうかは、
テレアポの手法や考え方を時代に合わせて進化させられるかどうかにかかっています。
テレアポ会社はかなりハイテク化しており、
組織風土などもかなり令和的になっていて、
時代に応じて進化していると感じます。
「声でつながる」「相手の温度感を感じ取る」といった価値が残る限り、
テレアポ営業は形を変えて生き残る仕事だと、私は思います。
実際、先ほどの調査ではテレアポには売上アップ以外の価値があるという結果となっています。
もちろん調査した会社がテレアポ関連の会社ですので
結果をうのみにはできません。
しかし、世の中にこれほどテレアポがあり、
絶滅しないことを考えると意味があると考えている会社が多いのでしょう。
テレアポは頭おかしいと思われがちな理由
「テレアポやってるなんて、正気なの?」
「毎日何百件も電話するなんて自分には無理」と言われたことは、
一度や二度ではありません。
特にSNSなどでは、テレアポに対する否定的な投稿が目立ち、
ネガティブな印象が先行してしまうのも無理はないと感じています。
このように思われる背景には、
やはり「相手の都合を無視して突然かけてくる」
「何度断っても繰り返しかけてくる」という業界全体の悪いイメージがあるのでしょう。
たしかに、相手の気持ちを考えずにがむしゃらに架電を繰り返すやり方は、
迷惑がられて当然です。
そしてその結果、電話営業=強引=頭おかしい、
という極端なラベリングにつながってしまうのだと思います。
しかし現場に立っている私の感覚では、
テレアポは決して無謀な営業手法ではありません。
同じ相手に対してしつこく電話をするということはありませんし、
一度断られたらそれ以上は追いません。
そんな感じで無理に追わないで数をかけていると、
必要とされる情報を届けることができて
「ちょうど探していた」「助かります」と感謝されることもあります。
若手の頃、新規のテレアポで指導いただいたのは
『今井が話す相手は、連絡を必要としておらず、
切ろうとしているお客様だ。そのお客様にとやかく説明しても逆効果。
聞かれたら答えればよい、情報は足すな、
お客様にとってのベネフィットだけ話せ』と言われた。— 今井晶也|セレブリックス (@M_imai_CEREBRIX) July 17, 2025
また、テレアポの成功率は0.1%から5%程度です。
会社側はそれをわかっているので経営者側の感覚でテレアポをすれば
それほど苦にはなりづらいです。
もちろん、テレアポはストレスの多い仕事でもあります。
だからこそ、適切なやり方で誠実に取り組むことが大切です。
そして、外からの誤解を恐れず、
自分の中で意味を見出せる人が続けていける仕事でもあると、私は思います。
「テレアポはかわいそう」と言われる実情
テレアポをやっていると、「大変そう」「かわいそう」といった言葉をかけられることがあります。
これは、仕事そのものが「過酷」「報われない」と見られている証拠かもしれません。
とはいえ、相手に嫌な言葉を投げられたり、心を折られるような断られ方をされることは、
ほぼありません。(特に法人は)
断られることに慣れていない人にとっては、
最初の1週間だけで心が折れてしまうかもしれません。
私も最初の頃は、電話をかける前に手が震えるような感覚がありました。
ただし、それだけで「かわいそう」と決めつけてしまうのは早計です。
私にとってテレアポは、単に電話をかける仕事ではなく、
お客様のリアルな声を聞き、マーケティングに役立てる貴重なフィールドワークでもあります。
トークスクリプトの改善やリストの見直し、
ちょっとした言い回しの変化で結果が大きく変わるのを体験すると、
自分の成長も実感できます。
また、資料請求をもらった時や、
感謝の言葉をもらったときの達成感は格別です。
「電話って意外に嫌がられるものじゃないんだ」と思える瞬間があると、
この仕事への見方も少しずつ変わってきます。
かわいそうに見えるのは、
たしかに表面だけを見れば理解できます。
しかし、やりがいや学びも多く、
戦略的に取り組めばきちんと成果も出る仕事です。
(商材や架電リストにもよりますが)
だから私は、胸を張って
「在宅テレアポをしています」と言えるようになりました。
ネット広告に刺さらない層へのアプローチ
最近のビジネスは、
何かと「Webマーケティング」ありきで語られがちです。
確かに、SNSやリスティング広告を活用すれば、
効率よく見込み客を集めることができます。
私自身、Webライティングもやっているので、その便利さや強みはよくわかります。
私がやっているカウンセラー業ではネットで集客しています。
ただし、広告を出してもまったく反応がない業界や層もあるのが現実です。
たとえば、建設業、地方の中小企業、高齢の経営者が多い業種などでは、
ネット広告に触れる機会がそもそも少ない場合があります。
そうした相手にリーチできるのが、
テレアポの大きな強みです。
多くの会社はネット広告をしたうえで
さらにテレアポをしていたりもします。
ネット広告やSEO、SNSだけでは限界があるので、
ウェブマーケティングだけをしている会社だと
テレアポ「も」している会社に競争で負けてしまうのです。
テレアポで話をしてみると、
「ああ、それ前から困ってたんだよね」「そういうのがあるって知らなかった」
そんな反応が返ってくることが珍しくありません。
ネットでもテレビでも広告をけっこう出していたのに。
このような層は、広告を見て自発的に申し込むことはありません。
そもそも存在に気づいていなかったりする。
しかし、こちらから電話をかけて存在を知らせることで、
初めて「話を聞いてみようか」となるのです。
これはまさに、
テレアポでしか届かないアプローチの一例です。
情報過多の時代において、
本当に必要な人にだけピンポイントで届けられる手段というのは意外と少ないのではないでしょうか。
テレアポはその意味で、
アナログでありながら「届きにくい声にこたえる」価値あるツールだと私は感じています。
テレアポはマーケティングの武器にもなる
テレアポというと、「売り込む手段」というイメージが強いかもしれません。
でも実は、マーケティングの視点で見ると非常に優れたツールでもあるのです。
なぜなら、電話は“生きた情報”がその場で得られる、
数少ない手段だからです。
私は在宅でテレアポをしていて、
毎回の会話から商品への反応やお客さんのリアルな本音を拾い集めています。
同じ商品でも業種によって反応がかなり違ったりするのです。
こうした反応の違いを蓄積することで、
ターゲットのニーズや言葉の傾向が明確になってきます。
(これは会社がやってくれますが)
それはまさに、マーケティングにおける
「リサーチ」と「テストマーケティング」を兼ねたような行為だと言えるでしょう。
もちろん、すべてが成功するわけではありません。
失敗の中にこそ、改善のヒントが詰まっています。
つまり、テレアポは単に売るためだけのものではなく、
マーケティング活動全体を底上げする“実験場”でもあります。
これをやっているかどうかで、
営業全体の質が変わってくるというお声をいただくこともあります。
テレアポをやることが、マーケティング力を鍛えるトレーニングになる。
そう思うと、この仕事が持つ価値はもっと多くの人に知られていいのではないかと思います。
在宅ワーク×テレアポのリアルと可能性
在宅ワークとテレアポの組み合わせは、
地味に見えて実は非常に相性が良い働き方だと私は感じています。
自宅でできる仕事の中でも、
パソコンと電話さえあれば始められるテレアポは、
スキルや経験が無くてもしっかり成果を出せる分野のひとつです。
私がこの仕事を選んだのは、
場所や時間に縛られず、個人で収入を得られる可能性が高かったからです。
また、私は他に自営で仕事もしているので、気分転換にもなります。
テレアポは言われたとおりに電話をかけるだけなのでストレスが少ない。
責任に押しつぶされたりする感覚が無いのです。
また、在宅ワークとしてのテレアポは「孤独な作業」になりがちですが、
意外に他のメンバーさんとの連帯感もあります。
一方で、成果がすべて数字で見えるため、
プレッシャーがあるのも確かです。
とはいえ、会社から文句を言われることはありません。
商材やリストによる部分も大きいからです。
成果が出ないときは「このままでいいのか」と不安になりますが、
それでも1件のアポが取れると一気に手応えを感じられます。
成功体験が自信となり、
次のアクションにつながる循環ができるのです。
こうしてみると、
在宅ワークとしてのテレアポは決して楽な仕事ではありませんが、
無意味な作業ではないでしょう。
少なくとも経営側は費用対効果的に合うと考えているのでしょう。
テレアポが時代遅れでない理由となぜなくならないのかの理由
どれだけ時代が変わっても、
ビジネスの現場で重要なのは「最初の接点をどう作るか」だと私は思います。
その意味で、
テレアポは今でも強力な“きっかけ”を生み出す手段として活躍しています。
私が日々テレアポをしていて感じるのは、
ほとんどの人は「いきなり買おう」とは思っていないということです。
むしろ、「気にはなっているけど行動に移すきっかけがない」という人が意外と多いのです。
そんなときに一本の電話がきっかけとなり、
「そういえば、それ困ってたんですよ」と話が進み、
資料請求やアポイントにつながることがあります。
特に、相手がそのサービスを知らなかった場合や、
自分で調べる余裕がなかったようなケースでは、
電話という能動的なアプローチが強く響きます。
もちろん、全員に響くわけではありません。
中には迷惑がられることもありますし、
断られるのが当たり前の仕事です。
8割くらいが「その商材の購買担当者は外出中です。以上」
という感じです。(法人は丁寧で愛想がいいですが)
しかし、その中の数%がこちらの話を受け止め、
興味を持ち、「ちょっと話してみようか」となった瞬間、
そこに確かな“接点”が生まれます。
これは広告やメールではなかなか得られない、
双方向の関係性です。
つまり、テレアポは“売り込む”というより、
“出会いのきっかけを作る”という意識で取り組むべきなのだと思います。
実際に、私が取ったアポの中には、最初は資料だけのつもりだったのに、
最終的に契約まで至ったケースもあります。
このように考えると、テレアポは今でも立派な営業手法であり、
ただの古いやり方ではありません。
自分から動き出す勇気と、相手の反応を柔軟に受け止める姿勢があれば、
一本の電話がビジネスの未来を切り開く「はじまり」になることもあるのです。
まとめ:テレアポは時代遅れ?なぜなくならないのかを総括する
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声による直接的なコミュニケーションは信頼構築に有効
-
BtoB営業では未だに電話のニーズが根強い
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テレアポは即時に顧客の反応が得られる
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メールやWeb広告では届かない層にアプローチできる
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相手の課題に合わせたトークで成果が変わる
-
デジタル広告の高騰と比較してコストが抑えられる
-
生の声が得られ、マーケティングの改善に活かせる
-
トーク内容の工夫で信頼関係が築きやすくなる
-
相手の表情は見えなくても声のトーンから感情が読める
-
きっかけを与える営業手法として今も有効
-
孤独な作業だからこそ自己成長につながる
-
在宅でも継続可能でスキル次第で成果が出せる
-
ネットに反応しない中小企業や高齢経営層に届く
-
マニュアル一辺倒ではなく創意工夫が成果に直結する
-
一度の成功体験が大きな自信と継続意欲につながる